所得税の節税

こんにちは。愛媛県西予市の税理士 古谷です。

確定申告期限まであと残すところ10日を切りました。

税理士や商工会にお願いしている方、日々しっかりとされている方は既に終わっている方も多いと思います。ギリギリで焦らなくて良い様に日々きちんとしておきましょう。

この時期には「少しでも所得税を抑えたいのだが、いい節税案はありません?」

ってよく聞かれます。合法的に少しでも税金を安くするのも私たちの仕事なのでもちろんご提案させていただきます。今回はその一例を紹介します。

 

 ①未払金の計上の徹底

 ②家賃の前払い,小規模企業共済の前払い

 ③養老保険の利用

 ④旅費日当

 ⑤身内との取引

 ⑥医療費控除の活用

 ⑦配偶者控除の逆転活用


①未払金の計上の徹底

 例えば、電気代や水道代が挙げられます。12月利用分は1月に入ってから支払、 引落がありますよね?これを支払がまだでも未払金として12月の決算に取り込むことで経費を計上できます。同様の取引にクレジットカードで買い物をした場合や、末締め翌月払いの従業員給与や社会保険料も該当します。


②家賃の前払い、小規模企業共済の前払い

 家賃は毎月払いが一般的だと思います。家主さんとの交渉で支払方法の変更が可能であれば、1月~11月は月払いで支払って、12月から翌年11月までを年払いに変更してもらうことでその年だけ2年分の家賃を経費算入できます。ここで注意が必要なのはこの処理を継続しないといけないので、先も見据えた判断が必要になるかと思います。経費ではなく所得控除ですが小規模企業共済についても同じ年払い対策が可能です。


③養老保険の活用

   養老保険とは保険期間中に被保険者が死亡すると死亡保険金が、満期まで生存していると満期保険金が支払われるという、保障と利殖が一緒になった保険です。この保険について一定の要件を満たすと保険料の半分を経費にできる様になります。

一定の要件とは、あくまでもその保険が福利厚生の為のものであり事業主の利殖目的では無いと認められることが必要になります。


④旅費日当

 旅費日当とは「出張時の宿泊費、交通費以外の少額の支払いに充てるもの」とされています。もちろん少額の支払いであってもその都度、領収書を全部持って帰ってくればそれで清算はできますが、処理が煩雑になりますよね。そこで旅費規定というものを作成し、行先や役職により1日〇〇円と決めてその金額を出張者にわたすのです。その金額は事業主の場合は必要経費になりますし、従業員の方は所得税が非課税となります。但し、いくら規定を作っているからと言ってもあまりにも高額な金額は給与として所得税がかかってしまう可能性があるので注意が必要です。


⑤身内との取引

 身内への支払いは経費にできないというのは聞いたことがあると思います。但しこれは身内への支払ではなく「生計を一にしている親族」への支払いが経費になりませんという意味です。生計を一にするとは「日常生活の糧を共通にしている」いうことです。例えば同居していたり、仕送りをしていたりすると生計が一であると判断されやすいです。同居で生計別の場合は家計簿をしっかりつける等、その根拠をしっかりと残しておくことがポイントになってくるかと思います。

 うちのカフェも親族経営ですが、「別居」「生計別」なので給料は経費にしています。


⑥医療費控除の活用

 上記⑤の「生計を一にする」繋がりです。生計を一にしている家族分の医療費であれば合算して医療費控除を申告することが出来ます。ですので、例えばおじいさんとおばあさんの医療費を合算して、所得の高いおじいさんの方で全額医療費を使う事で世帯全体の所得税を下げる(所得税は所得が高くなるほど税率が上がる累進税率なので)といった活用もできるのです。


⑦配偶者控除の逆転活用

 お父さんが事業主でお母さんが青色事業専従者である場合、配偶者控除というと勝手なイメージでお父さんの扶養にお母さんが入ると考えがちですが、お母さんに専従者給与を払った後でお父さんの事業が赤字若しくは青色申告特別控除後利益が38万以下であれば、逆にお父さんがお母さんの扶養に入った方が世帯全体で所得税が安く抑えられます。


わかりやすそうなのをピックアップして記載させていただきました。

但し、こういった対策を事前確認無しで急に実行すると、パッと見で所得税は下がったが思わぬところで損をした、長期的には損だ、という事もありえます。

ですので、専門家の意見を聞いてから実行されることをお勧めします。


是非、お気軽にご相談ください。

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